部活動日誌blog

2017/04/16

美術部 第17回全国高等学校版画選手権大会(はんが甲子園)リポート

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1日目。

4泊5日の佐渡への旅。伊丹空港からいよいよ出発です。

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新潟空港に到着後、佐渡汽船に乗り、いよいよ佐渡島へ。

人懐っこいうみねこが、見送ってくれました。

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出発から9時間、大会が開催される相川町に到着。

大会ガイダンスと地元の方々による歓迎の伝統芸能披露がありました。

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2日目。

ついに開会式と版画制作が始まります。

開会式で、今大会の作品テーマは「佐渡で感じた大切なこと」と発表されました。

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開会式後は現地取材。

ボランティアドライバーの方の案内で、先ずは佐渡金山遺構や尖閣湾など、佐渡に来たら一度は見てみたい名所をまわりました。

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しかし、今回のテーマから考えたのは、地域の人との交流だったので、ボランティアドライバーの方に「地域の方と触れ合える場所はないか」と尋ねたところ、『相川町には、「安寿と厨子王」の伝説が残っており、厨子王が、失明した母親の目を洗い、視力を取り戻したという「目洗い地蔵の湧き水」というものがある。その地域の人たちは、その湧き水を沸かして、お風呂にし、自分たちも入るし、観光に来られた方や目の病気に良いという評判を聞いて訪ねて来られた方にも開放している。そこに行けば、誰なりとおられるだろう。』と教えてもらい、目洗い地蔵に取材に行くことにしました。

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目洗い地蔵様は地域の方が大切に祀っておられるのが感じられました。しばらく、お風呂があるお堂で待っていると、おばあさんが入浴に来られました。お話しを聞くと、このお風呂は、地域の皆で自主的に沸かしているとのこと。

「地域の方や地域外でここを訪ねてくる方々の為に」という姿勢に、今回の大会テーマに通じるものを感じ、お風呂を沸かすお婆さんを写真に撮らせていただきました。

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夕方、制作会場に戻り、皆で作品の構想を練りました。

メインは、薪をくべるお婆さんにし、お地蔵様やお堂にあった目洗い地蔵の提灯などを画面に構成していくことにしました。

夜、下絵が完成、これから版木を彫る作業に入るのですが、非常に大きな版木が5枚もあり、途方もない作業に思われました。

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くたくたになって2日目終了。

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3日目。

細かな版分けの作業と平行しつつ、ひたすら版木を彫る作業が続きます。

出場常連校の方に聞くと、今日中に版を彫り終わらないと間に合わないとのこと。

多くの学校が、電動彫刻刀なるものを使って、効率的に作業を進める中、初出場の私たちは、そんな便利な道具の存在すら知らなかったので、全て手作業です。

指が、腕が、言うことをきかなくなるほど、彫りました。日付が変わっても、作業は続きました。

4日目。

他校は、彫りの作業を終了させているにも関わらず、まだ彫りも多く残し、彫りと刷りを同時進行させていきました。しかし、このままでは、絶対に間に合わないと判断し、既に彫りを終えられていた他校の方にお願いし、電動彫刻刀を借りるなどして、何とか版木の彫り作業を終了させました。

記録の写真を撮る余裕もありませんでした。

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そして、締め切り9分前、ついに作品を完成する事が出来ました。

制作終了のブザーが鳴るとやり終わったという達成感から、涙がこぼれました。

今まで、美術を続けてきた中で、体力的には、一番厳しい制作でした。

でも、自分たちの実力は出し切れた作品だと思いました。

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完成作品提出後は、出場校の親睦会があり、一堂に並べられた作品の前で、制作意図などを述べました。

猛烈な疲労と眠気と達成感の中、4日目終了。

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5日目。

今日はいよいよ大会最終日。閉会式の後、京都に帰ります。

5日間、おいしい食事と明るい笑顔をいただいたホテル吾妻亭さん、ありがとうございました。

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結果発表は、閉会式でおこなわれます。出場14校の内、5つの学校に賞が与えらます。

審査結果が、5位、4位、3位と発表されていきました。

発表もあと上位2校を残すのみとなり、これは厳しいかなぁと感じた時、準優勝である中小企業庁長官賞に「京都精華学園高等学校」が呼ばれました。

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他校の作品も力作ばかりだったので、本当に嬉しかったです。

この日の為に、卒業式の後も毎日美術室に通い、練習してきた努力が報われたと思いました。

応援してくださった方々、工具を笑顔で貸して下さった弘前実業高校の皆さん、このような厳しくも素晴らしい大会を支えて下さっている大会関係者の方々に本当に感謝します。

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はんが甲子園。

思っていたより厳しかったけど、そのような環境の中でこそ、体感できないものがあると思いました。

この大会を通して、自分たちが少し成長できたと実感することが出来ました。

3年生である私たちは、明日から別々の進路を歩んで行きますが、この経験をこれからの制作活動に生かしていきたいと思います。

「さようなら、佐渡島。ありがとう、はんが甲子園。」