走れ！移動図書館

「走れ！移動図書館」　鎌倉幸子

「図書館活動を通して、本を必要とする人に届けたい」—。
被災者のために「本」を届ける移動図書館プロジェクトが、東日本大震災の直後に立ち上げられました。移動図書館とは、トラックやバスを改造した移動図書館車で地域をめぐって本を貸し出す活動です。

最初、被災地を回りながら著者は自問します。まだ本ではないのではないか。まず衣食住を確保することがもちろん大事。けれど、こんな時だからこそ本が求められていました。主人公に自分の身を重ね合わせてつらい体験から少しずつ回復していく人、同じ本を繰り返し読む子どもたち、いま必要な情報を本から得る人、読書という習慣を取り戻していく人。本にはチカラがあります。
この本を開けば、知らなかったこんなボランティア活動があることを私たちに教えてくれる、それも一冊の本のチカラです。